2009年2月10日火曜日

うんざりだ、いつだってそうだ、この世界が彼女に向けて賛美の言葉を放っていたあの頃だって、彼女を語ることのできた言葉がどれだけ在ったって言うんだ、いつもおまえらは言葉を吐けば吐くほどに彼女の美しさを言葉によって台無しにしてる、悪意もろくに吐けないのか、彼女に対する愛も絶望も怒りも、おれ以外は容易く言葉にできるはずがないんだ、虫唾が走る、これは最早意識の問題じゃない、細胞の領域でおれは彼女を語るための器官を持っている、貴様らのように昨日今日の粗末なお手製のモンとは違うんだよ、
このスーパー袋をさげてる目の前のクソ婆でさえも彼女に罵倒の言葉を持っているのかと思うと苛々する、この世界で彼女をもっとも恨んでいる男はこのおれだ、彼女の目頭の粘膜の露出度を定規で測っては悦に入ってる判決精神異常者の提出データの止まない騒音にも、彼女がリボンを髪に飾るみたいにとても無邪気に幸福を身に飾ってゆくようなブロ愚の更新に苛つく者の液晶画面を睨みつける眼球猟の濫獲にも、ああ、うんざりだ、うんざりだ!、それで!、あんた彼女のなんなんだよ?、
問題は彼女を女として見られるかどうかだ、あれは女のなかの女だ、女という生き物が数秒のうちに本能で選ぶすべてを迷いなく本能で選びきっている、欲しいものだけで世界を満たしてゆく、あれこそが女だ、ガキの女が人形が欲しいから葬式の最中にもかかわらず「人形!人形!」って泣き散らすその本能のままだ、それは粘膜に吸収されずに残ったもっとも女の女たる鼓動だ、
肌を肌として見ず、命を命として見ず、彼女の視線を、彼女の感情を、彼女の呼吸の香りを私は嗅いでいない男のいちばん酷いヤツだ、彼女の口臭は甘くはないだろうに、私は彼女の息に果実を思ったもっとも酷いヤツだ、この女の有機的な生の活動の毎秒によっておれは無機的死をそのたびに迎えている、感情など果てて気だるさだけが残る、嘔吐、それも、あの老廃物を吐き出す類のものでなく、透明な嘔吐だ、魂そのものを吐き出すかのような嘔吐、彼女を愛するために用いる手段を模索している神経の着付けに聖も性も見境なく彼女に着せる事に疑いもなく没頭していけば辿り着くのは彼女の八重歯だろう、その八重歯にこびりつく微生物のダンス、純粋と淫乱の両性を彼女がまだ天秤なく併せ持ちひとつの肉体に不完全なまま高潔な無意識で守り徹していたあの彼女の幼少期の躍動、夢想も膨らむだろう、こうして、感情の蘇生を試みても、彼女に抱いたあの人間的な感情の頂点を今再びと思えば思うほどに感情の不在が返事を繰り返す、血のない反応、人間的な行為に停留しようとするこの肉体のこの拒む痙攣に身を委ねていれば悪意だけが目を覚ましはじめる、だからこそ今もっとも彼女に対する私の美しい愛情があるとするならば、彼女を意識さえしないまったくの無へと選ぶことなのだ、彼女が再び姿を現した時、彼女はそれを無意識のうちに心得ていた、驚くことに彼女はその身を守ることを本能でやり遂げていた、つまり、彼女は私が行為を抱くことのない存在へとついに造形的領域で到達していたのだ、彼女が私に行ったもっとも酷い仕打ちは股を濡らすことでも私以外の誰かを愛する事でも突如子供を授かり姿を晦ましたことでもない、八重歯を葬った時のように再び私が愛していた彼女のもっとも愛くるしいあのなにかを葬ったことにあるのだ、人間的な範囲の行い、すなわち、惚れた腫れた孕んだだのなんだのはどうでもいい、恋だの愛だのその領域など私の愛情ですべて凌駕していただろう、彼女は、私が造形主義者だと言うことを知っていたのだ、彼女のかわいさこそを私が愛していたのだと、人はなにも変わっていないと言うかも知れない、しかし、私にとっては、彼女は完全な変貌のなかに逃げ込んだのだ、私がもはや、彼女に立ち入ることのできないように、彼女は、それを遂行している、彼女の愛さないでほしいという暴力と私の愛せはしないという暴力が身を結んだのだ、私たちは、はじめて、互いを愛しはじめるだろう、彼女の有機的な生がなおも私を無機的に殺しつづける、そして、彼女がまるでアクセサリーのように背におぶるあの生きる塊の歪な躍動のおぞましさ、あれがそうか、こいつらの幸福の姿そのものだったのだと、気がつき、私は軽くなる、蠢くまるっこい塊が睨むだろう、吐き気が毀れるだけの光景だけを彼女が輝かし、彼女はついにおれの愛情から逃げ切る事ができる、彼女が、私があれ程までに愛していたあの輝きをそれでもなおも抱いていたのなら私は発狂していたのかもしれない、彼女は彼女の命も救い、そして、私の命をも救ったのだ、彼女の無様に露出した目頭の粘膜のうえに幸福がいっぱいに艶めいている、ああ、露出する裸な粘膜のその色、彼女の肉体を徐々に、トレースするように鮮明に繊細に高密度の顕微で見渡してゆくのは悪意の挙動だけが絶滅する正義を土から掘り起こす事だろう、39℃の熱の旅の最中に覗いたあの女の幸福の吐露の生臭い歓喜の全容におれがなにをもよおしたのか、それはときめきでも憧憬でも切なさでもなんでもない、そんな人間的な美しいものじゃない、ああ、吐き気だ、感情的な流血ではなく、臓器が直接ただ痛み出すその辛辣だ、ああ、吐き気だ、動物的な信憑、その痛みの真実、その事実だけがそこには在った、魂は傷がつかないように一瞬の切除でその肉体から摘出して大事を免れることのできる人間も居るだろう、だが、私にはそんな優秀な免疫はない、聖人の領域にまでその身を絞り、彼女のすべてを願い通りに白く輝かすような儀式の方法も知らない、私は、ただ、こんなにも彼女を愛することを失っただけの男なのだ、それ以上でもそれ以下でもない、私は、誰かを、なにかを、愛することを失った、ただ、それだけの男なのだ、そして、これは永遠の呼吸だろう、この吐き気だけが私の永遠なのだ、

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Dear Morning Musume。 君のキャワキャワをキャッチだぜ!